被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(空き家特例)

売却年度の確定申告となる。

取得金額が不明な場合は売却額の5%が取得額+解体費用、売却手数料などが譲渡経費となり、売却額との差し引きの売却益に対しての3000万円までの控除となる。

(特例を受けるための要件)

(1)売った人が、相続により被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を取得したこと。

(2)次のイまたはロの売却をしたこと。(イはロを選択)

イ  相続により取得した被相続人居住用家屋を売るか、被相続人居住用家屋とともに被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。(このケースはあまりない)
ロ 相続により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。

(注)被相続人居住用家屋は次の(イ)の要件に、被相続人居住用家屋の敷地等は次の(ロ)および(ハ)の要件に当てはまることが必要です。

(イ) 相続の時から取壊し等の時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがないこと。

(ロ) 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがないこと。

(ハ) 取壊し等の時から譲渡の時まで建物または構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。

(3)相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

(4)売却代金が1億円以下であること。

(5)売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと

(6)同一の被相続人から相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等について、この特例の適用を受けていないこと。

(7)親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。

【相続した家屋についての要件】

相続開始の直前において被相続人が一人で居住していたものであること

1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された区分所有建築物以外の建物であること

相続時から売却時まで、事業、貸付、居住の用に供されていないこと(同居の親族などいないこと)

相続により土地及び家屋の両方を取得すること



休眠会社の処理

「休眠会社」とは全く事業活動を行っていない、休業中の会社のことです。会社を解散・清算するためには費用や手間がかかります。 また、将来事業を再開したいと思った場合、一旦解散後、再度会社設立してしまうと過去の繰越欠損金を使用できなくなるばかりか、費用面でも馬鹿になりません。そのため、特に株主や利害関係者が1人の会社、親族のみの会社などでは、正式に解散・清算の手続きを取らず、会社をそのまま放置する場合があります。

放置する場合、地方税である均等割がかかるかが問題になります。
均等割が課税されるための、法的な要件としては「道府県内または市町村内に事務所又は事業所を有する法人」であります。 ここでいう事務所又は事業所とは、「…事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって、そこで継続して事業が行われる場所」をいいます。
法人が完全に事業活動を停止していて、事務所なども引き払ってお金の動きも全くないような状態ならばここでいう要件である「事務所等」に該当せず、均等割の納税義務は無いということになります。そのため実態としても完全に休眠中であれば、「事務所等」の要件に該当せず均等割がかからないという主張が通ります。

それでは休眠する場合の手続きについてみていきましょう。
【税務署あて】
異動届出書…「異動事項」=その他、休眠など、「異動後」=〇年〇月〇日より休眠などと記載します。
給与支払事務所等の廃止届出書 …「休業」欄にチェック、「参考事項」=〇年〇月〇日より休眠
【道府県税事務所、市町村あて】
異動届に、「〇年〇月〇日より休眠」と記載して提出します

休眠手続き後の申告についてみていきましょう。
法人税申告は必要です。本人税については、法人が存続している限り申告義務があるため、税務署への確定申告書提出は必要です。 青色申告などを継続したい場合は、2期連続で期限内申告をしなかった場合は青色申告が取り消されますので、毎年期限内に提出しましょう。繰越欠損金が消滅する、青色申告が取り消されても良いという場合は実際に申告をしなくとも実害は少ないです(但し会社に役員から貸付金があり(会社から見れば役員に対しての借入金)、その役員が亡くなった場合は相続財産の一部となる恐れがあります)。
消費税、都道府県、市町村への申告書の提出は不要です。 消費税は、課税取引がない場合は申告義務がありません。課税事業者に該当しなくなった旨の届け出は提出しておきましょう。 住民税は、事業を行う事務所を廃止したという理由で、申告義務がなくなります。